Wake on LAN に関する Tips
Wake on LAN の概要と注意事項
Wake on LAN (以降 WoL と表記) とは、特定のコンピューターの電源を遠隔で投入するため、マジックパケットと呼ばれる制御パケットを LAN 全体にブロードキャストすることを指します。
ISM Service RA の WoL 機能は、RD エージェントからこのマジックパケットをブロードキャストする機能です。
送信するマジックパケットには、接続先サーバー登録(または編集)で設定した MAC アドレスを指定します。
WoL を機能させるには、主にネットワーク構成と接続先サーバー側の設定に留意する必要があります。 お客様環境が以下の項目を満たしているかご確認いただき、実際に ISM Service RA の WoL 機能を使用して動作を確認してから、お客様の運用で利用してください。
ネットワーク構成
ISM Service RA の WoL 機能は、RD ポータルから接続先サーバーを指定してマジックパケットを送信します。マジックパケットは、選択された接続先サーバーを RD ポータルに登録するときに指定した RD エージェントから送信されます。
一般的にブロードキャストはルーターを超えることはできませんので、接続先サーバーと同じサブネットに対応する RD エージェントを設置しておく必要があります。
また、お客様環境内でマジックパケットの送信が制限されている場合があり、その場合は WoL が利用できません。詳細は、お客様の管理者にお問い合わせください。
接続先サーバー側の設定
WoL を機能させるには、接続先サーバー側の設定が必要ですが、設定方法については ISM Service RA のサポート対象外となります。
以降、ご参考までに、設定例を示します。
WoL は、一般的にソフトウェア WoL とハードウェア WoL の2つの方式があります。
ソフトウェア WoL は、OS の機能であり、利用するには、OS 側の設定で WoL を許可していることと、ネットワークデバイスが WoL に対応している必要があります。詳細は、OS の提供元にご確認ください。
ハードウェア WoL は、マザーボードの BIOS およびネットワークアダプターの機能であり、一般的には BIOS メニューより WoL を有効にすることと、OS がその動作を阻害しないことが条件となりますが、提供元によって仕様が異なります。詳細は、当該ハードウェアおよび OS の提供元にご確認ください。
【ご参考】Windows10 以降の設定方法
ここでは、Windows10 以降の設定例について述べます。
Windows は Windows WoL と呼ばれるソフトウェア WoL だけを公式に説明しており、これを利用する場合は以下の設定が必要となります。設定項目名などは変更になる可能性がありますので、ご了承ください。
- ネットワークアダプターの設定
- [コントロールパネル] の [デバイスマネージャー] より、ネットワークアダプターの [プロパティ] を開く
- [電源の管理] タブから、スタンバイ状態を解除できるようにする旨の設定を有効にする
- タブがない・グレーアウトされている場合は、そのネットワークアダプターは WoL に対応していない可能性があります
- [電源の管理] タブの代わりに、[詳細設定] タブに WoL 関連の設定が存在するアダプターもあるようですので、そちらもご確認ください
- スリープまたは休止状態にするための設定
- Windows WoLでは、システム電源状態が「スリープ (S3)」または「休止状態 (S4)」からの起動だけがサポートされています
- デフォルトでは、Windows をシャットダウンすると、「ハイブリッドシャットダウン (S4)」となり、この状態からは起動できませんので、ご注意ください
- この仕様の詳細については、【Microsoft 公式】Windows 10での WAKE ON LAN (WOL) 動作を参照してください。
- 「スリープ」または「休止状態」にする手順は、【Microsoft 公式】PC をシャットダウン、スリープ、休止状態にするを参照してください。
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Windows でハードウェア WoL を利用する場合は、BIOS の設定が適切に行われている、かつ、Windows の起動状態を「完全シャットダウン (S5)」にしておく必要があります。
BIOS の設定についてはお使いのマザーボードのマニュアルを参照してください。
Windows のシステム電源状態についての詳細は、【Microsoft 公式】システムの電源状態を参照してください。
完全シャットダウン状態にするためには、Shift キーを押しながら Windows をシャットダウンするか、【Microsoft公式】Windows 10での WAKE ON LAN (WOL) 動作の詳細情報に記載されている手順でハイブリッドシャットダウンを無効化してください。
- Windows WoLでは、システム電源状態が「スリープ (S3)」または「休止状態 (S4)」からの起動だけがサポートされています
ISM Service RA における WoL の設定・使用方法
RD ポータルからマジックパケットを送信する手順は以下の通りです。
ISM Service RA の WoL 機能を有効にする
プロジェクト共通設定より、WoL 機能を有効にしてください。
起動したい接続先サーバーの登録情報に MAC アドレスを設定する
新規サーバーの登録 または サーバーの更新画面より、対象サーバーの MAC アドレスを登録してください。
接続先サーバーを指定してマジックパケットを送信する
リモートアクセス画面より、WoL のマジックパケットを送信してください。
なお、サーバーへの接続を確認するで起動状態を確認できます。マジックパケットを送信した後、しばらくしてから実施してください。