Web アクセスエージェントの導入


Tunaclo RD の Web アクセス機能を利用する際は、RD ポータルからの通信を中継する Web アクセスエージェントの構築が必要になります。
ここでは Web アクセスエージェントの導入手順を説明します。

ポイント:
Web アクセスエージェントを冗長化する場合は、冗長化数と同じ分だけサーバーを用意し、設定を実施してください。 Web アクセスエージェント冗長化についての詳細は、Web アクセスエージェント冗長化を参照してください。

インストール

Red Hat Enterprise Linux(以降、RHEL)環境にインストールする手順は以下のとおりです。

Web アクセスエージェントは RPM 形式のパッケージのみの提供となります。
  1. Tunaclo用yum repositoryファイルの作成
    Web アクセスエージェントをインストールするサーバーにログインします。
    root ユーザーで、/etc/yum.repos.d/tunaclo.repoというファイルに以下の内容を設定します (ファイルが存在しない場合は新規に作成します)
[tunaclo]
name=Tunaclo Repo
enabled=1
gpgcheck=1
baseurl=https://portal.rd.tunaclo.jp.fujitsu.com/agentimg/rpms
gpgkey=https://portal.rd.tunaclo.jp.fujitsu.com/agentimg/rpms/RPM-GPG-KEY-tunaclo
  1. Web アクセスエージェントのインストール
    root ユーザーで以下を実行します。
# dnf --disablerepo=* --enablerepo=tunaclo install tunaclo-backagent-1.7.0-1

Web アクセスエージェントの登録

  1. RD ポータルで Web アクセスエージェントを登録
    新規 Web アクセスエージェントの登録 画面を開き、新規 Web アクセスエージェントを登録します。

  2. 起動用設定ファイルのダウンロード
    Web アクセスエージェントリスト 画面を開き、Web アクセスエージェントの詳細情報を表示します。
    起動用設定ファイルをダウンロードします。

初期設定

  1. 起動用設定ファイルのアップロード
    前の手順でダウンロードした起動用設定ファイルを、Web アクセスエージェントをインストールしたサーバーにアップロードします。
    必要に応じてバックアップを取得した後、 /etc/tunaclo/config.yaml に保存します。

  2. 設定のカスタマイズ
    以下の設定は、お客様環境に合わせて設定を追加、編集してください。

    項目 設定内容 分類 入力例
    note Web アクセスエージェントを識別するためのメモを設定します。
    120文字まで、a-z、A-Z、0-9、ひらがな、カタカナ、漢字、一部の半角全角記号のみ使用できます
    省略可能 東京支店のエージェント
    forwardNoProxy Web アクセスエージェントからお客様 Web アプリへ通信する際に、プロキシを利用しない設定とするかどうかを設定します。
    プロキシを利用しない: true
    プロキシを利用する:false
    省略可能
    デフォルト:true
    true
    forwardOriginHeader Web アクセスエージェントからお客様 Web アプリへ通信する際に、Origin ヘッダーをそのまま送信するかどうかを設定します。
    お客様 Web アプリが 複数の Web アプリと連携し、オリジン間リソース共有 (Cross-origin resource sharing) を行う場合は falseを設定してください。
    Origin ヘッダーをそのまま送信:true
    Origin ヘッダーを書き換える:false
    省略可能
    デフォルト:false
    false
    forwardHostHeader Web アクセスエージェントからお客様 Web アプリへ通信する際に、Host ヘッダーをそのまま送信するかどうかを設定します。
    お客様 Web アプリが Host ヘッダーの内容をから Web アプリ内のリンク URL を生成している場合は falseを設定してください。
    Host ヘッダーをそのまま送信:true
    Host ヘッダーを書き換える:false
    省略可能
    デフォルト:false
    false
    forwardRefererHeader Web アクセスエージェントからお客様 Web アプリへ通信する際に、Referer ヘッダーをそのまま送信するかどうかを設定します。
    お客様 Web アプリが Referer ヘッダーの内容を参照して、許可された Referer であるかを確認している場合は falseを設定してください。
    Referer ヘッダーをそのまま送信:true
    Referer ヘッダーを書き換える:false
    省略可能
    デフォルト:true
    true

    以下の設定は Web アクセスエージェントの管理・認証に必要な情報のため変更しないでください

    項目 内容
    agentID Web アクセスエージェントを識別するための ID 情報です。
    agentKey Web アクセスエージェントを認証するための鍵情報です。
    projectID Web アクセスエージェントの認証先を識別するための情報です。

  1. プロキシサーバーの設定
    プロキシサーバーの環境下で Web アクセスエージェントを利用する場合は /etc/tunaclo/environment を開き、HTTPS_PROXY にプロキシサーバーを指定してください。

    • 認証が不要なプロキシサーバーの場合

      HTTPS_PROXY=http://<プロキシサーバー名またはIP>:<ポート>
      (例) HTTPS_PROXY=http://192.168.0.1:8080
      
    • 認証が必要なプロキシサーバーの場合

      HTTPS_PROXY=http://<ユーザー名>:<パスワード>@<プロキシサーバー名またはIP>:<ポート>
      (例) HTTPS_PROXY=http://alice:Password123@192.168.0.1:8080
      
注意:
PROXY 認証のユーザー名やパスワードに記号(@, : 等)が含まれる場合は、URL エンコードした文字に置き換えてください。
(例) パスワードが p@ssword の場合 HTTPS_PROXY=http://alice:p%40ssword@192.168.0.1:8080

Web アクセスエージェントからプロキシサーバーを経由して Web アプリに接続する場合は、 プロキシサーバーを経由した Web アプリへの接続 を参照ください。

  1. サービスの自動起動設定
    サーバーが再起動した際に、自動的に Web アクセスエージェントが起動するように設定します。
    Web アクセスエージェントをインストールしたサーバーにログインします。
    以降のコマンドはすべてroot ユーザーで実行してください。

    # systemctl enable tunaclo-backagent
    
注意:
本設定を省略した場合、サーバーを再起動した後に Web アクセスエージェントのサービス起動コマンドを手動で実行する必要があります。
  1. サービスの起動
    Web アクセスエージェントをインストールしたサーバーにログインします。

    # systemctl start tunaclo-backagent
    
  2. サービスの状態確認
    以下を実行し、running 状態であることを確認してください。
    running 状態でない場合は、設定ファイルを見直してサービスの再起動を実行してください。

    # systemctl status tunaclo-backagent
    

Web アクセスエージェントのサービス再起動

  1. サービスの停止
    Web アクセスエージェントをインストールしたサーバーにログインします。
    以降のコマンドはすべてroot ユーザーで実行してください。

    # systemctl stop tunaclo-backagent
    
  2. サービスの起動

    # systemctl start tunaclo-backagent
    

アンインストール

導入した Web アクセスエージェントをアンインストールする手順は以下のとおりです。

  1. Web アクセスエージェントのアンインストール
    Web アクセスエージェントをインストールしたサーバーにログインします。
    root ユーザーで以下を実行します。
    # dnf remove tunaclo-backagent